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市議会レポート
   
平成16年第4回定例会
    (平成16年12月2日〜12月15日)


今回は次の2項目につきご報告します。
1.「機構改革の議案」についての反対討論
2.「国民訴訟制度」等の創設を求める意見書について
   
 
 
報告事項

 1. 「機構改革の議案」についての反対討論

 かねてから行財政改革の必要性について、いろいろな角度から行政や皆さんにお話をさせていただきました。
  その結果12月議会に機構改革の議案が提案されました。
  この議案の問題点として、市がしなければならない仕事量や(事務事業)仕事をどのような方法でするのか決定されていないばかりか、将来人口も参考にせずに作った改革案であることが挙げられます。
  このような提案に対して反対や賛成をするときは討論で理由を述べることができます。
  私は反対する立場からその理由を述べましたので、行財政改革を考える上での参考にして下さい。


反対討論
 私は議第103号事務分掌条例の一部改正について反対の立場からその討論をおこないます。
103号議案の狙いについて、
「市政の主要施策としての観光再生と、職員の意識改革、職場風土全体をも改革することを目指した取り組み、市民ニーズにより近い部署が全体の財政状況などから考えて政策のメリハリをつけられるように一定の人事、予算、組織編制などを自ら管理、執行できる別府型事業部制に19年度から移行するために見直しを行った」
との説明がありました。
  予算、人事、組織編制権は19年度の本格導入を目指すとのことです。

 私は今でも思い出しますが、先の市長選挙で行政改革について触れた浜田さんは「私が市長になったから行政改革が遅れたとは言わせない」と強い自信を見せました。
 任期の折り返し点を迎えようとしているのに遅々として行財政改革は進まず、依然として将来の行財政規模や組織の姿が見えてきません。
  あなたが当選し出席した最初の議会、15年第2回定例会で機構改革や予算権、人事権についてあなたは次のように行政改革に対する考えを述べています。
  「機構改革に伴いまして、スリムで迅速な判断ができる組織のフラット化、さらには予算権、人事権の分限委譲についても検討していかなければならないと考えています」と答弁しました。
 すでに1年半が経過し、予算権や人事権の分限委譲について19年度の本格導入を目指すことが表明されましたが、見方を換えるとあなたの任期中完全な分限委譲は実施しないと言うことです。
 私は自分に課せられた政治課題は「将来に耐えうる行財政規模の構築」「それに伴う組織を作るための政治活動」だと認識しています。あなたと私の行財政改革に対する違いは現状認識と行財政改革の進め方に一番現れています。

 何度となく述べてきましたが行財政の改革で一番大事なことは、
■常にコストの面から行政をみること です。
 常に税金を効率よく使うという観点から、直営から委託や民営化への転換を積極的に図っていくことが大事ですが、この際、特に重要なことは、いつも行政の面から眺めていくことです。
  今まで「この仕事にどのくらいのコストがかかっているのか」というコスト意識が極めて希薄であったと思います。
  改革ではすべての領域において、まず「どのくらいのコストがかかっているかを算定して」それを、別の方式、委託などに切り替えればどのくらいコストが下がるかを「数字で把握」検討し、住民サービスが変わらないのであれば「少しでもコストの低い方式に切り替える」それによって新たな財源を生み出すことが必要です。

 次に大事なことは
■行政にかかるコストを公開することです。
 これまで事業に対する詳細なコストが公開されていませんでした。
  情報公開で大事なことは「事務事業にかかるコスト」を公開して、納税者に「直営か、民間か」を選択してもらうことが極めて重要です。今後は積極的にコストを公開して、いずれの方式を取ることが税金を効率よく使うという観点から見て望ましいかを「納税者、住民に」考えてもらうことが必要です。
  地方自治経営学会の調査によると「ごみ収集を例にした場合」委託だと直営の44.6%のコストでできます。したがって残りの55.4%は別の新しい事業の財源に振り向けることができます。そうすることで、その分だけ税金を生かして使えるのです、そしてその翌年もこのような新たな財源が生み出されてくるとすると、同じ税金を2倍、3倍、4倍、5倍に生かして使えることとなります。
  もし、これが直営収集の場合「税金はごみ収集のために」すべてが使われてしまいます。委託の場合55.4%分の税金が生きた税金として使われるのに対して「直営の場合55.4%が死に金」となってしまいます。このようなことからも、広く行政のコストを公表して、納税者とともに税金の使い道を考えることが必要です。

  次に
■行政改革は文字だけでなく、数字で示すことが大事です。
 いままで改革は言葉や用語を並べた作文のような感じがしました。
  この事業を委託や嘱託、指定管理者制度やNPO、シルバー人材センター、農業協同組合、漁業協同組合、生活協同組合、パートに切り替えた場合、「税金がどのくらい削減できるか示して」納税者の理解を得るべきです。

 今回「事務事業量の算出をせずに」組織改革で時代の要請に対応していこうとしていますが私には賛成できるものではありません。  それはいま述べた理由と次に述べる視点が組み入れられていないことです。

 第一点目に今後の出生率に対応できる組織改革でないということが考えられます。
 いろいろな調査機関が別府市の将来人口の予測をしていますが、日本統計協会によると2020年には108,360人になることが予測されています。調査方法によって違いがありますが、人口問題研究所、大分大学も大幅な減少を予測しています。このことは生産年齢人口の減少や納税者の減少となって行政組織の規模や財政規模と密接なかかわりを持ってきます。
  今回の組織、機構の改革には将来人口の推移がまったく生かされていません。

 次に各部、各課において「事務事業量の調査(仕事の量)」や、事務事業量に基づいた「事務事業(仕事)の実施方法」が全くみえません。

たとえば、
(1) 別府アリーナの管理運営は今後も直営を続けるのか、指定管理者制度やほかの方法を導入するのか。
(2) 公園の維持管理は今後どうするのか。
(3) 道路維持業務はどうするのか。
(4) 市営住宅建設や管理はいままでのように市が建設して市が管理するのか。市有地を提供して民間に建設管理をしてもらうことはできないのか。
(5) 春木し尿処理場の建設管理問題はどうするのか。
(6) 幼稚園の経営や管理をどうするのか。
(7) 市営墓地の管理や建設はいまのように市がいつまでも直営で続けるのか。
(8) 今後も大幅な赤字経営が予測されるビーコンプラザとのかかわりをいまのまま続けるのか。
(9) 経常的な経営赤字を続けている北浜温泉、別府コミュニティーセンター、竹細工伝統産業会館は今後もこのまま市の財産として赤字経営を続けるのか。
(10) ニューライフプラザと勤労青少年ホーム青雲の統合はどうするのか。
(11) 別府総合振興センター、扇山ゴルフ場、公設市場、土地開発公社、などとの基本的関係の見直しはいつごろまでにするのか。
(12) 学校や保育園の給食調理業務は今後どの部分を残していくのか。共同調理場だけの委託でいいのか。
(13) ごみ収集はどの地区からどのような方法で実施していくのか。
(14) 中央公民館や図書館の管理運営は今後どうするのか。
(15) 南端の埋め立て場の管理運営をこのまま直営で行うのか。

 以上のような問題を、基本的にどうするのか決まらなければ、「別府市のすべき仕事の量」が決まらないばかりか、その実施方法も決まりません。その問題が解決して初めて「その仕事をどのような組織でするのか」決定されるのです。


 別府市は「このような問題の解決を先送りして組織替え」を行おうとしています。このような改革では次代の要請にこたえることができないばかりか、改革の実を挙げることも期待できません。

 なぜこのような中途半端な改革になったかその原因について考えてみると、それはすべて市長の「改革に対する方向性と熱意」、「改革に対する指導力の欠如」に由来します。
  改革には血の滲むような努力と改革を成し遂げる強い信念が必要です。今回の改革案を作った推進室の皆さんの努力の跡は十分に感じることができます、しかし推進室だけで大きな改革を実行することはできません。
 市長にいま求められているのは、行革推進室に陣取り、各課の事務事業の調査をして、あなた自らが「行政事務の執行方法を決定」することです。今まで長く改革できなかったものを事務方だけに任せて実行できるとは思えません。それは「事務方に責任があるのでなく改革を引っ張っていくあなたの姿勢に問題があるからです。」
  労働組合との交渉がいかに難しいかはあなたが誰よりも知っているはずです。「税は市民からの預かり物」です。その税を基に積み立てをしている基金を取り崩さなければ財政運営ができない状態を恥ずかしいと思いませんか。
  この問題はあなただけの責任でないことは十分承知していますが、基金を取り崩した後の財政運営はどうなるのですか、「平成20年、単年度の実質収支では24億7千万円の赤字となり」基金取り崩しで何とか転落を免れていける状態です。
  行政改革大綱で示されている、22年度までに職員を100人減らすのはどのように実現するのですか。職員採用だけ見ても
13年 36名、 14年 31名、 15年 36名、 16年34名、採用していますが、事務量(仕事量)が決定していないのにどうしてこれだけの職員が採用できるのですか。
  財政状態に対する危機意識や管理能力、改革手法のあいまいさを考えると、市民の求める思い切った改革ができるとは思えません。なぜ広瀬知事に対する県民の期待が高いと思いますか、それは県民の目線で、県民が求めている改革を次々に何のためらいもなく県民のために実行しているからです。


  今、全国では生き残りをかけていろいろな取り組みがされています。高浜市では「公務員に代わり、仕事を株式会社の社員に」させるため、高浜市が5千万円出資して「高浜市総合サービス株式会社」を設立し、「公務員に代わり社員が」その役割を担っています。志木市では現在「530人の職員数を20年間で半減」「最終的には50人まで減らすとして今後5年間の職員採用凍結」をすでに宣言しています。


 2004年2月中旬から3月初旬にかけて日経グローカルが681市と東京23区に委託などについて回答を求めた結果602の市や区が回答しました。この調査によると民間委託の取り組みの進捗度合いを自治体間で比較するため、項目ごとの委託度によって偏差値を決めて、各自治対の民間委託度ランキングを発表しています。
  その調査によると、1位は福岡県の春日市、次に小郡市、宗像市、筑紫野市と福岡勢が並んでいます。
  大分県関係では
    129位 日田市
    232位 臼杵市
    400位 杵築市
    455位 中津市
    507位 宇佐市
    560位 大分市
  そして602の市や区の中でなんと576位が別府市です。

 このことからも別府市の取り組みがいかに遅れているかお分かりになったと思います。全国で1位の常連春日市では人口108,089人職員の数は405人です。職員1人当たりの市民は266人となっています。
  別府市では職員の数は1240人(15年)で職員1人当たりの市民は100人です。春日市の市民対職員の比率を別府に当てはめると職員の数は465人になります。ただ単純に職員数だけで行政を判断できませんが、春日市のような市政運営をしている市があることも事実なのです。
  市長覚えていますか。
  事務事業(仕事の量)の見直しについて見解を求めた私の質問に、あなたは「事務事業の見直しをしっかりやらなくてはいけない、これは当たり前のことです」と胸を張って答弁しましたが、この当たり前のことさえできていないのです。
  今回の機構改革を見て、浜田市政の行財政改革の進め方に失望したと申し上げ反対討論を終わります。

平成16年12月15日          
行財政改革クラブ代表 泉 武弘


 2.「国民訴訟制度」等の創設を求める意見書について

 私が別府市の監査委員をしているときに、地方自治体の損害行為に賠償を求める住民訴訟が地方に認められているのに、地方より大きな財源を使う国家公務員の損害行為に国民が補償を求める法律がなぜないのか監査をしながら納得できませんでした。
  すでに日本弁護士連合会や大阪弁護士会で、違法な税金の使い方を国民がチェックする制度を求めての具体的な動きや、日本弁護士連合会の行政訴訟制度の抜本的改革に関する提言:行政訴訟法(案)の提案が具体的に検討され、すでに法案ができています。
  いままで国家公務員が与えた損害行為については会計検査院に審査の要求をすることができるだけで、損害の賠償を求める訴訟制度が存在しませんでした。
  私は12月議会に国に対して国民訴訟制度の創設を求める意見書を提出し、議員全員の賛成でこの意見書が可決されました。
  このような意見書の取り扱いは全国でも初めてで、今後の国の対応が非常に注目されます。

意見書は次の通りです。(←ここをクリックしてください)
 

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