泉武弘 泉武弘
泉武弘 公式サイト
| お気に入りに追加 | 知人に教える |  
泉武弘
泉武弘
  市議会レポートバックナンバー
ここをクリック
市議会レポート
バックナンバーTOPへ戻る
   
平成16年第3回定例会
    (平成16年9月2日〜9月15日)
 
今回は楠港埋立地の活用について問題になっている事と、その原因について特集でお伝えします。
 
   
 
 
報告事項

 ■ 楠港埋立地の活用問題

楠港跡地利用問題を考える
楠港跡地利用問題についてこれまでの経緯をご説明いたします。
楠港跡地利用問題のこれまでの経緯(←ここをクリックしてください)

 これまでの事実経過を説明しましたので、皆さんも楠港跡地活用について行政の対応は分かっていただけたと思います。
  ではどうしてこの楠港埋立地活用の問題で混乱しているのでしょうか。次は混乱の原因についてご一緒に考えて見ましょう

- 概要 -
(1) この市有地の特徴
   今回大型店が出店する予定地は「6,000坪の市有地」で、しかも海と国道に面しています。これまで29億円もの税金(県、市の合計)が使われており、今は冬の花火大会の会場として使われています。海岸線はこれから国と県において190億円かけて自然景観を取り戻す事業と、ヨットハーバーの整備が行われます。この貴重な土地の活用は「港の文化を創造でき、しかも観光客を吸収できること」が求められます。
 楠港跡地は、これらの特性を十分考えながら土地の活用をしなければなりません。判断を誤って後世の人から批判を受けるようなことだけは“絶対にしてはならない”のです。

(2) 大型量販店が今の別府に必要でしょうか
   進出予定の株式会社イズミは、大型複合商業施設を計画しています。計画によると、地下1階、地上5階建て、年間売り上げ目標は120億円を見込んでいます。  売り上げの内容は物販店が68%、非物販が32%となっています。(非物販はシネマコンプレックス、レストラン、フードコート、イベント広場、展望台、アミューズなど)
  年間の来店者数は800万人を見込んでいます。 
  商圏人口(来店客の地域は別府、武蔵町、安岐町、杵築市、山香町)などで28万人を見込んでいます。そのうち市外は57%となっています。市民の皆さんにぜひ考えて頂きたいのは、「6,000坪もの貴重な市有地を提供してまで」大型量販店を誘致しなければならないほど、今の別府に消費力があるか、ということです。ただ「大型店がくれば便利だ」という簡単な問題でなく、別府の将来のために楠港埋立地をどのように活用しなければならないかという大事なことなのです。

(3) 別府の消費力はどのくらいでしょうか
   平成13年度の産業別事業所数では卸売り、小売、飲食が44%、サービス業32%、不動産業9.1%、建設業6.3%、製造業3.4%運輸、通信業2.7%、金融、保険業1.8%その他0.7%となっています。従事者数では卸売り、小売、飲食で31.3%、サービス業43.2%%この2部門だけで74%となっています。
 平成3年から平成13年の事業所と従事者数の推移は次の通りです。
 平成3年 9,042事業所 従事者58,092人
 平成8年 8,549事業所 従事者58,464人
 平成13年 7,665事業所 従事者55,708人

統計による平成3年から平成13年までの事業所推移をみると
平成3年から平成8年では 493事業所が減少
平成8年から平成13年では 884事業所が減少
平成3年から平成13年では 1,377事業所が減少しています。
従事者数では平成3年から平成13年にかけて2,384人が減少しています。

  以上のことからも、今の別府の現状が読み取れますが、次に自動車、自転車を除く小売業の平成6年から平成14年までの年間販売額を見ると次のようになります。
  平成6年 1,382億6,936万円
  平成9年 1,324億5,333万円
  平成11年 1,213億6,500万円
  平成14年 1,131億2,309万円

 平成6年から平成14年にかけて「251億4,627万円」の減少となっています。このことからも別府市の消費力は弱いことが分かります。
  このまま大型量販店を誘致すれば、多くの小売店が廃業に追い込まれると予想できます。なぜ市有地を大型量販店に提供してまで、小売店の経営を圧迫しなければならないのでしょうか。それが浜田市長の言う「市民の目線での政治」でしょうか。もしそうだとすれば「市民の目線を見る浜田市長の目線が間違っている」と言えます。

(4) 今の別府市に必要な施設
   別府は、多くの面で観光客の消費に依存している経済構造になっています。楠港の跡地の活用は観光客を誘致でき、しかも港文化を創造できることが必要だと考えられます。この土地の利用で特に大事なことは「市民がこの市有地を活用するうえで、将来に何を求めているか」という点です。観光客さえ呼べればいい、というような発想もありますがそのことは十分気をつけなければなりません。この貴重な市有地を活用して「港文化」を創造することが最も大事と考えます。浜田さんが市長選挙で約束した「楠港跡地を人の集う緑豊かなイベント広場として活用します」の公約はどこへ行ったのでしょうか。このまま計画を進めれば「公約は選挙に勝つための手段だった」といわれても仕方ありません。

(5) 業者選定での問題点
   業者選定や業者の応募取り扱いにおいて別府市は基本的な過ちをしています。

―プロジェクト募集要項「必要で肝腎なこと」に見る問題点―

 市は楠港活性化について基本事項や募集要項について以下の様に示しています。
別府の自然景観に調和したウォーターフロントを構成できる施設
市民や観光客などの交流を深める拠点となる施設
中心市街地の活性化に貢献し、別府市全域に波及効果が期待できる施設
地域の町づくりに寄与し地域との調和を保てる施設
1から4の施設が複合した施設

 しかし、基本的事項が具体性に欠けたため、混乱の原因をつくってしまいました。
  市が示した基本事項では、売り上げの中に占める物販の比率、地域との調和の具体的方法、経済波及効果の具体的な数字、中心市街地の活性化にどのように貢献できるのかの、具体的な数字や方法、建物の高さ制限、海の見える景観保全などについて基本的事項の中に示していません。そのために混乱をきたしているのです。市長は混乱させた原因がわからないばかりか、責任をまったく感じていないようです。これは信じられないことです。極論すれば今回の混乱のすべての原因は、市長の判断の甘さと、行政の進め方の未熟さにあるといえます。

―業者選定と選定報告書についての検証―
 選定会議設置の目的は、別府市が募集した楠港跡地活性化プロジェクトの応募業者の中からどの企業がふさわしいかを選ぶ仕事です。しかし、選定依頼をした市から職員が5名も業者を選ぶ委員会に入っていたのです。結果としてこの5人が一社選定などで大きな決定権と、決定に大きな影響を与える事になりました。市から5人も選定委員を送り込むのであれば委員会を設置せずに、別府市が独自の判断で決めればよかったと思うのは私だけでしょうか。このことで疑問に思っている市民の大部分は、最初から意中の業者を「市が決めるために」5人も送り込んだのではと考えているのではないでしょうか。他都市の例を見ると別府との相違点が分かります。ここでご紹介するのは、15年に岡山市が実施した「学校跡地関連事業」で行ったプロポーザル事業です。
  岡山市はこの中で次のように考えを示しています。



- 岡山市の例 -
プロポーザルの基本的な考え方
   プロポーザルとは 直接的な意味は「計画、提案、申し込み」であるが、多くの場合、施設の設計者を選ぶ場合の方式の一つとして紹介されている。しかし設計者の選定だけでなく施設の企画、建設、運営、管理、営業の企画、施設での営業などを行う主体を、「提案」に基づき様々な視点から総合的に判断し、選定する方式全般が「プロポーザル」である。次にプロポーザル実施に当たって透明性、公正性、客観性、競争性を考慮しなければなりません。
民間資金活用型事業のプロポーザル実施指針
   民間資金活用型事業プロポーザル実施に必要な期間として、実施方針の公表、意見聴取、募集要項の公表、応募書類の提出、最優秀案の選出、優先交渉権者の決定公表、本協定;契約の締結に要する期間は420日程度としています。


 また、審査についての基本的な考え方を提示しています。
<市との関係について>
 
市は審査委員会を設置、審査委員会に最優秀事業者などの選定を諮問する。
審査委員会は提案者(事業者)からの提案(プロポーザル)を審査し、最優秀案事業者(優秀順位)を決定、岡山市に答申する。
岡山市は答申を受けた事業予定者(優先交渉権者;交渉順位を決定、事業者と協議を行い、協定、契約を締結(事業予定者の決定権は岡山市)するとしています。

<審査公開の方法>
   
審査結果報告書の公表
議事録の公表
ヒアリングの公開
一次審査終了後応募作品の概要を公開
審査委員会の実況放送(音声のみ)
審査委員会の実況放送(映像;音声)
審査委員会の傍聴(公募した立会人の傍聴を認める)
審査委員会の傍聴(人数を限って一般傍聴を認める)
審査委員会の全面公開

ただし、以上の公開方法には課題が考えられ、これらに適切に対応する形で審査委員会を運営することとする。

<審査委員の資格>
   
 1 基本的に事業毎にもっともふさわしい委員を選ぶ。
 2 専門的知識、経験、資格を有する人を選ぶ。
 3 専門知識を持ち審査経験を持つ人を1名以上選ぶ。
 4 事業性の判断が必要となるため、金融関係者、事業経験者、経営者を必ず1名以上選ぶ。

<審査委員の人数>
1) 人数については、密度の濃い議論が可能な人数で、日程調整の容易さを考慮し7〜15名程度とし、事業ごとに検討する。原則として、このうち20%程度を公募委員とし最低でも2名は確保する。
2) 原則として“審査委員は岡山市の職員以外”とするが、必要のある場合は“公募委員と同数以下”とする。

 以上が岡山市企画局総合政策部事業政策化が実施した「民間からの提案を基にした事業者選定方式(プロポーザル)」の実施方針です。
  別府市との大きな違いは

  選定委員会委員の選任方法と委員の数
  選定委員会の運営方法
  審査期間
  業者選定数(最優秀事業者と優秀順位の決定)

 特に注目しなければいけないことは、選定を依頼した市側の職員を審査委員に委嘱したことです。岡山市では職員を1名も委嘱していないのに、別府市では5人も委嘱しています。
  別府の業者選定答申の問題点について答申書を見て一番驚いたのは

  選定の理由がない
  業者の優秀順序がない
  5社に対する審査講評がない

 今まで多くの審査や選定を見てきましたが、今回のような企業選定において「選定理由がない答申」を見るのは私にとって初めてのことです。しかも審査講評も行っていないのです。業者提案(プロポーザル)についても優秀順序がついていません。それにもまして驚いたのはこの答申書をそのまま浜田市長が受け取ったことです。選定理由がなくても、優秀順序がなくても、審査講評がなくても「株式会社 イズミ」一社とのみ交渉しようとしている浜田市長の姿勢に異常さを感じるのは私だけでしょうか。

 今回の楠港跡地利用で見せた浜田市政は、浜田さんがいつも言う「市民の目線での政治」とは大きく乖離しているようです。
  私は楠港跡地の利用は広く市民の意見を聞くために一度白紙に戻して考え直す必要があると思います。


 最後に豊明市が行った豊明市総合計画策定業務プロポーザル審査結果を見ていただきます。
<参考資料>豊明市総合計画策定業務プロポーザル審査結果
                     (↑ここをクリックしてください)

↑ページTOPへ戻る
 
Copyright 2004 Izumi Takehiro All Rights Reserved.